環境法ええやん!ええやん!

R.Iさん 受験歴: 新試験1回
立命館大学法学部(3年次飛び級のため3年次で退学)
京都大学法科大学院 【既修】2019年入学・2021年修了
2019年予備試験合格

はじめに

 タイトルを見て、ふざけたやつがおるなと感じたと思われます(笑)。ただ、環境法はマイナーな科目で注目を集めることもないと思いますので、あえて少しふざけたタイトルにしております。ご了承ください(笑)。

1 環境法を選択した理由

 ずばり、覚える量が少なく、しかも民法の不法行為分野や行政法の理解を深めることができるからです。環境法は覚えることは本当に少ないです。私が頑張って覚えたのは、環境法を学んでいる方はご存じかと思いますが、廃掃法2条1項の「廃棄物」の定義ぐらいであり、他の科目に十分時間を割くことができます。また、内容も行政法や民法といった他の科目の学習と連携しており、選択科目だけの勉強になりにくいというのが、理由です。

2 環境法のメリット・デメリット

(1) メリット
 1の内容と重複して恐縮ですが、何より覚える量が少ない点です。環境法では、環境10法という個別法規が出題範囲に指定されていますが、条文の解釈などはほとんど聞かれません。条文がどういう構造になっていて、条文を使ってあてはめするだけで、問題を解くことができ、完全に頭で記憶することは本当に稀です。
 また、行政法や民法と連携しており、行政法や民法で出てくる制度、判例が環境法で出題されたりします。たとえば、公害防止協定の法的性質について言及した福津市最終処分場事件(最高裁平成21年7月10日第二小法廷判決 判時2058号53頁)は、行政法の学習でも出てくると思いますが、環境法でも出題されています。このように、環境法の場合は、環境法だけの勉強にならず、環境法の勉強が結果として他の科目の勉強にもなっているという点も魅力的です。
 さらに、覚えることが少ないので、アウトプットにすぐ取り組めることも魅力です。特に過去問を解くだけでも十分で、他の問題集などは本当に余力がある方だけ使えばよいと思います(私は、過去問しか解いておりません。)。しかも過去問を解くと、出題分野が周期的になっていることが分かり、言い方は悪いですが、ヤマを張ることができます。私も令和3年度の問題は、ヤマが当たりすぎて、正直試験会場で震えました(笑)。
 そして、最後に選択科目の点数もバカにできません。選んでいる方が少ないおかげで、高得点を狙いやすく、他の科目よりも優位に立つことができるのも魅力の一つでしょう。

(2) デメリット
 デメリットは、大きく4つで、教材の種類が少ない、一緒に頑張る仲間が少ない、特殊な問題が出る、合格後就活で少し困る、です。
 環境法は、法律としてはまだ歴史が浅く、選択科目で学ぶ人も少ないことから、教材の種類があまりありません。ただ、言い換えれば、みんながやっているものを淡々とすればよく、勉強方向を誤ることは少ないと思います。
 また、学習仲間を見つけにくいというのもあります。ただ、一人でも環境法のメリットに共感して、環境法を選択してくだされば、仲間は増えるのではないかと思います。
 3つ目に、特殊な問題が出ることですが、それは、法の改正の趣旨を問う問題です。これは、常日頃から法改正に目を配っていないと解けないので、厄介と言えるでしょう。ただ、ほとんどの受験生がわかっていないので、解けなくてもそこまで支障はないと思います(私も、令和3年度の問題で、改正の趣旨を問う問題は全くわからなかったので、適当なことを書きました。笑)。
 最後に、就活の際困るという点があります。私は、こんなに環境法を推していますが、労働法の方が興味があります。なので、必ずと言っていいほど、労働法に興味があるのに、どうして環境法を選んだの?と聞かれます。それで、いつも環境法のコスパがいいので!と答えますが、正直相手の方の反応が薄いです(笑)。なので、実務に出ても環境法に携わっていく気があまりない方には、就活の際、少し苦しい思いをされるかもしれません。ただ、環境法の廃掃法分野などは、実務でも使う機会はあると思いますし、まず合格しないと法曹への道は開きません。また、弁護士になれば知らない法律を勉強することは多々あり、選択科目が何だったかなど、そこまで影響しないと思います。なので、大きな問題ではないと思います。

3 法科大学院での選択科目学習状況

 2年次後期に環境法の不法行為分野を、3年次前期に環境法の行政法分野を、3年次後期に環境法事例演習を選択しました。褒められることでは全然ないのですが、私はあまり授業を聞いておらず、どの授業もあまり自分の力にはできていませんでした。その代わり、環境法の過去問を解き、出題範囲とその周辺について書かれた基本書(後述します)を読み込むという勉強を繰り返し行っていました。正直、環境法はそれで十分で、ローで授業を聞かないとわからない、というものではありません。なので、予備試験受験生、合格者の方も環境法を検討されてみてはどうでしょうか。

4 受験対策として成功した勉強法

 やはり何と言っても過去問ベースに解いていったことが大きいです。何度も問題を解くと出題範囲が重複することも出てきて、力を入れるべき分野、頻出の条文、制度などが見えてきます。なので、本当に環境法の勉強は過去問を一生懸命解く(できればH23以降は、全部起案していただきたい)に限ると思います。ただ、それだけでは不安だと思いますので、たとえば、水質汚濁防止法に関する問題が出たのなら、水質汚濁全般について、基本書を読むなどして、周辺知識の定着も行っていくようにしていました。

5 私が使用した本

 使用したのは、越智敏裕先生の「環境訴訟法」と北村喜宣先生の「環境法」、そして環境法判例百選です。ベースは、越智先生の教科書で行っていました。この教科書は、非常にコンパクトで、読みやすい良本であると思います。ただ、越智先生の教科書は、少し説明が薄い部分があるので、それを補うため、後者の教科書や判例集を参考にすることもありました。

6 これから受験される方へのアドバイス

① 初学者の方へ
 環境法は、本当にコスパがいい科目なので、そこまで時間を要しません(私も本格的にとりかかったのは、試験の前7か月前から)。なので、本当に環境法が好きな方や基本7科目で手一杯の方を除いては、いろいろな選択科目をご覧になっていただきたいと思います。環境法にも当然デメリットは存在しますので、いろいろな科目を見て、それでも環境法がいいと思えば、勉強に取り掛かるといいでしょう。その際は、インプットを重視するのではなく、アウトプットとインプットを同時にやるぐらいのつもりで勉強されるといいでしょう。その意味でも、過去問中心に解くのが重要です。

② 来年受験される方へ
 まず、うるさいようですが過去問はすべて解いておいてください。そうすると、苦手な分野、環境法特有の問い方など学習できますので、非常に有益です。そして、近年の傾向から出そうな分野を少しだけ予想するというのもやってみるといいでしょう。結構あたります(笑)。

 皆様が良い結果を得られることを心から祈っております。お体には気を付けて頑張ってください!

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