答練・模試を効果的に用いる方法

K.Hさん 受験歴: 新試験5回
朝日大学法学部
名古屋大学法科大学院 【未修】2014年入学・2017修了
                            

1 司法試験の受験を決意した経緯、合格までの道のり

 困難を抱えている人の役に立ちたいと思い、法曹を志望しました。法科大学院を卒業後、1年目は科目等履修生として大学院で、2年目は自宅、3年目は辰已法律研究所、4年目は再び自宅で、5年目は仕事をしながら勉強をしました。辰已法律研究所に通った後に受けた3回目の受験では、2000番台半ばから1700番台へと飛躍的に成績が伸びました。3年目に通った辰已法律研究所での勉強があったからこそ、5回目の合格があったと思っています。

2 法科大学院受験前の学習状況(法律学習)

 予備校の基本テキストを使用していましたが、勉強開始時期が遅かったため、純粋未修とさほど変わらない状態であったと思います。

3 法科大学院入学後の学習状況(法律学習)

 法科大学院では、予習事項や課題が多く、司法試験に向けた学習ができていた科目はあまり多くありませんでした。今振り返ると、もっと早い時期から過去問や問題演習、答練に取り組めば良かったと思います。

4 【受験対策】辰已講座の利用方法とその成果

 私が思う効果的な答練・模試の用い方をご紹介します。

〈答練・模試の受講前〉
 答練(スタ論)・模試を受ける際に私が一番気を付けていたことは、途中答案としないことと、配点割合に沿った分量の起案をすることです。それを実現するために、受講前には実際に自分が起案できる頁数を把握し、試験開始直後には配点割合に沿った設問ごとに起案できる行数・消費してよい時間を設定していました。
 形式面を整えるだけで、読み手からの印象は非常に良くなりますし、本試験で難しい問題の出題があっても、比較的安定した起案をすることができます。実際に、司法試験当日の目標もこの2点を守ることでした。

〈答練・模試の受講後〉
 答練・模試は復習が何より大切です。答練・模試の問題は本試験での的中率が非常に高いため、本試験で出題されるという気持ちで復習すると良いと思います。私は、合格スタンダード答案をコピーした答練まとめノートを持ち歩いていました。
 また、優秀答案の事案の抜き出し方、事実の評価の仕方がとても参考になるので、良いところは一元化ノートに加筆し、真似るようにしていました。

5 【受験対策】「私がやって成功した方法」「私のノート作成術」「私のスケジュール管理方法」等々

 私がやって成功した方法は、自分の悪い癖や気を付けるべき点をノートに書きだし、常に意識することです。これは、私が辰已法律研究所講師である福田俊彦先生が「2018年司法試験に不合格になってしまったあなたに」という動画内で勧められていた方法です。

6 【受験対策】私が使用した本

・憲法:『事例研究憲法』、『憲法 事例問題起案の基礎』、『趣旨・規範ハンドブック』
 憲法の起案の仕方が不安な方には、『憲法 事例問題起案の基礎』の一読をお勧めします。『事例研究憲法』は、司法試験や答練で出づらい人権を含め網羅的に学習できます。
 また、上記書籍に加え、答練の優秀答案を復習することが特に有益です。事実の評価の仕方がパターン化しやすい科目だからです。私は、辰已の『趣旨・規範ハンドブック』に一元化をしていました。

・行政法:『基本行政法』、『行政法(櫻井敬子・橋本博之)』、『事例研究行政法』、『趣旨・規範ハンドブック』
 行政法は上記書籍に加え、近年の過去問と模試・答練(スタ論)の合格スタンダード答案の復習をすることが特に有益です。それだけで重要論点の大半を対策することができます。

・民法:『民法(全)(潮見佳男)』
 民法改正に対応した上記書籍を繰り返し読んでいました。総論各論のすべて1冊に集約されていますが、この1冊と判例百選で十分司法試験に臨めると思います。

・会社法:『会社法(リーガルクエスト)』、『会社法事例演習教材』
 判例百選と答練の復習、条文の読み込みを主軸に、上記書籍を使用していました。

・民事訴訟法:『基礎からわかる民事訴訟法』、『趣旨・規範ハンドブック』
 判例百選と答練の復習を主軸に、上記書籍を使用していました。

・刑法:『刑法事例演習教材』『趣旨・規範ハンドブック』
 LS在学中は、『刑法総論(西田典之)』、『刑法各論(西田典之)』を読んでいましたが、卒業後は『趣旨・規範ハンドブック』をメインに復習していました。

・刑事訴訟法:『刑事訴訟法(酒巻匡)』、『捜査法演習』、『刑事公判法演習』、『事例演習刑事訴訟法』、『趣旨・規範ハンドブック』
 刑事訴訟法が得意でない方には、『捜査法演習』、『刑事公判法演習』の2冊を特にお勧めします。答案の書き方がわかる2冊です。理解を深めるために、上記2冊の後に『事例演習刑事訴訟法』も一読されると良いかと思います。私は、『趣旨・規範ハンドブック』に一元化をしていましたが、論証は加筆修正していました。

・労働法:『労働法(水町勇一郎)』、『1冊だけで労働法』
 労働法は、『労働法(水町勇一郎)』を一読の上、辰已の『1冊だけで労働法』と過去問・答練、判例百選を主軸に、都度『労働法(水町勇一郎)』を参照していました。

【判例百選について】
 苦手な科目ほど、判例百選を読み込んでいました。

【短答対策】
 辰已の『短答過去問パーフェクト』と六法、判例百選をメインに学習していました。
 辰已の肢別本を用いていたときもありましたが、近年の出題傾向と異なる肢が多いため使用をやめました。『短答過去問パーフェクト』の用い方について、これも福田先生の教えですが、合格者正答率が80%以上のものは確実に正答できるよう優先して学習していました。

7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

① LS在学生へのアドバイス(在学中にやっておくべきことなど)
 LS在学生の方は、短答、論文のいずれとも早期のうちから過去問に取り組むとよいと思います。最初のうちは、出題分野を予習した上で答案構成をするだけで足り、起案する必要はないかと思います。優秀答案と出題趣旨、採点実感を読みそれらを理解した後に、再現して答案を書けるか練習することをお勧めします。

② 来年のリベンジ合格を目指している方へのアドバイス
 既に記載したことと重複しますが、配点割合に沿った分量の起案をすることを強く意識されると良いかと思います。学習すればするほど、書きたい内容が増えるかと思いますので、バランスの良い答案を目指していただければと思います。
 また、答練・模試等では合格スタンダード答案より、他の受験生が起案した優秀答案を復習されることをお勧めします。なぜなら、優秀答案の記述の内容は自分でも検討していたが、合格スタンダード答案のような起案を書こうとして上手く書けなかったということが多くあると思うからです。私自身、司法試験2回目の受験の際と、成績が飛躍的に伸びた3回目の受験の際の知識面での差はほとんどなく、思考を自分なりに表現できるようになったことが大きかったと思います。来年の合格を願っています。

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