勉強開始から8年で合格できました。

K.Sさん 受験歴: 新試験3回
早稲田大学法学部
早稲田大学大学院 【既修】2017年入学・2019年修了
                                 

1 司法試験受験を決意した経緯

 私が司法試験受験を決意したのは、学部1年の時です。私はそもそも、誰に対しても平等で普遍的な効力を有する法律に関心があり、法学部に進学しました。そして、学部入学後に、「どうせ大学で法律の勉強をしないといけないなら、その最上級資格試験である司法試験を目指して勉強した方が、大学の成績が良くなるだけでなく、あわよくば弁護士にもなれて、一石二鳥だ」と考えるに至りました。クラスメイトや先輩で同じように司法試験受験を目指されていた方もおり、話を聞きに行った予備校講師の方にもやる気にさせられたこともあって、周囲の勢いに流されて受験を決意したというのが正直なところです。

2 法科大学院受験前の学習状況

 このように、司法試験受験がどれだけ大変であるかをあまり理解せず、なんとなく受験を決意した私だったので、実際に学習を開始してからは大学や予備校の授業や勉強量に圧倒されながらただ必死について行くだけの日々が続きました。そして、学部3年にもなると、周りが就職活動を開始しているのに、自分は勉強だけをしていて本当に大丈夫なのかと不安になることもありました。しかし、一度決めたことを途中で諦めることはしたくなかったので、一人で図書館に籠り予備試験や法科大学院入試に向けて勉強をしていました。
 この当時の学習方法は、短答については辰已の『パーフェクト』を7科目分繰り返し解き、論文については予備校の演習問題で大事なものだけを解いていたと思います。

3 法科大学院入学後の学習状況

 法科大学院にはギリギリで合格できたため、入学後は授業やクラスメイトのレベルが高くついて行くだけで大変でした。そのため、2年前期は授業の予習にのみ時間を取られてしまい、授業の復習や司法試験の過去問、また演習書の勉強にほとんど時間を割くことができませんでした。しかし、この勉強方法では長文の事例問題が出題された際の問題発見能力や起案能力が身につかないので、2年前期の定期試験はかなり成績が悪かったです。そこで、私は、勉強方法を改め、司法試験の過去問や演習書といった事例問題について、答えがわからないなりに積極的に解いて問題形式に慣れるように心がけました。それにより、問題発見能力や起案能力が磨かれ、2年後期及び3年時の成績は多少なりとも改善することができました。
 司法試験の受験対策については、平均的なノルマとして、短答の過去問について1日100肢を解き、論文の過去問について週に2問を解いていました。ただし、短答の過去問については、繰り返し解いてはいたものの模試では80点程度しか取れないということが続いたので、大量の問題をスピーディーに繰り返し解くという勉強方法から、時間をかけて一つ一つの条文の素読や暗記を行うという勉強方法に切り替え、それにより司法試験直前の模試で120点程度の点数を取れるようになりました。また、論文の過去問については、解いていて答えがわからない場合がほとんどでしたが、そこでインプットに時間をかけていては絶対に試験日に間に合わないと思ったので、我慢してわからないなりに過去問を回し続けました。

4 受験対策として、辰已講座の利用方法とその成果

 1回目及び2回目の受験の際には、辰已の講座や模試は利用していませんでした。
 3回目の受験の際には、それまでの勉強方法から何かを変える必要があると感じたので、辰已の福田俊彦先生のスタ論講座と模試を受講・受験しました。特に福田先生の講座では、優秀答案だけでなく平均答案や不良答案の良かった点や悪かった点をお話しいただいたので、自分が目指すべき平均答案のレベル感を身につけるのに役立ったと思います。また、令和2年度不合格者で令和3年度受験者の場合は、不合格が発表されてから受験までの期間が短かったため、辰已講座は、短い時間で7科目を効率よく学習するペースメーカーとしても役立てることができました。

5 受験対策として、成功した方法、ノート作成術、スケジュール管理方法等

 2回目の受験から3回目の受験でやり方を変えて、受験対策として成功したと思う方法は、大きく3つあります。まず、1つ目は、辰已の福田先生の講座を受講したことで、その理由は上記の通りです。そして、2つ目は、直前期まで、論文対策だけでなく短答対策にも取り組んだことです。私は、2回目受験の際に短答の成績が低く、それが足を引っ張って不合格になるという経験をしました。そのため、3回目受験の際には、直前まで条文の素読や暗記に時間を使い、その結果短答を上位通過することができたと感じています。最後に、3つ目ですが、会場近くの大浴場付きのホテルに宿泊したことも大きかったと思います。試験期間中は、試験時間ギリギリまでホテルの部屋で落ち着いて論証を確認することができましたし、試験時間後はホテルの大浴場でリラックスをすることで翌日の試験に心身ともに切り替えることに成功したと思います。
 ノート作成術については、全く大したことをしておらず、既製の予備校論証本を適宜加筆・修正するということをしていました。この方法は法科大学院在学中から取り組んでいて、加筆・修正メモもある程度溜まっていたので、不合格を経験した際にも新たな論証集には手を出さないように気を付けていました。
 スケジュール管理方法については、私自身がスケジュール管理自体にストレスを感じるタイプなので、唯一上記のノルマを守ることだけ考え、後は細かいスケジュールを設定することなく自由に勉強をしていました。細かいスケジュールを立ててその通り勉強を進める方が得意な人と、ざっくりとしたスケジュールを立てて自由に勉強を進める方が得意な人とが両方いると思うので、ご自身にあったスケジュール管理方法を探していただければと思います。

6 受験対策として、使用した本

 受験対策として、使用した本は以下の通りです。なお、論文対策として、辰已の『えんしゅう本』は全ての科目で答案例を確認する際に使用していたので、以下ではそれ以外の本についてご紹介します。また、短答対策についても、辰已の『肢別本』は全3科目で使用したので、以下では記載を省略します。
 憲法は、論証集として『読み解く合格思考憲法』(辰已)を用いていました。司法試験の憲法は判例を聞いてくるので、同書籍のうち判例の大事なところだけ暗記し、本番でエッセンスだけでも書けるようにしていました。
 行政法は、基本書を用いず、予備校本や授業ノートだけで対策をしていました。
 民法は、基本書として内田貴先生の本を使用していました。また、民法については受験期間中に改正され、過去の司法試験の「出題の趣旨」及び「採点実感」を用いて勉強することが難しくなったため、代わりの解説書として『改正民法で書いた民法論文過去問5年分』を用いていました。使用方法は、司法試験の過去問を解いた後に、同書籍の解説や答案例を確認するということをしていました。
 商法は、基本書として『リーガルクエスト』を用いていました。同書籍は、一度通読しましたが、当然それだけでは暗記できなかったので、司法試験の過去問を解くたびにわからない箇所があれば確認するという使用方法をしていました。
 民事訴訟法は、基本書として『民事訴訟法概論』を使用していました。同書籍も、一度通読しましたが当然暗記できないため、司法試験の過去問を解くたびにわからない箇所を確認するという使用方法をしていました。
 刑法は、基本書として山口厚先生の青い本を使用していました。同書籍は、各論点について複数の説を紹介した上で、各説の理由づけが最低一文で記載してあります。近年の司法試験の問題は、判例・通説とは異なる説を採らせた上で論述させるパターンもあるため、私は同書籍を用いて他説についても一言ずつは理由づけを覚えるようにしました。
 刑事訴訟法は、基本書として川出敏裕先生の『判例講座』を使用していました。同書籍の内容は、正直どこでどのような授業を受講するよりもわかりやすいので、私はわからない箇所があれば必ず同書籍を第一文献として確認していました。
 私は選択法として経済法を選択していましたが、その勉強方法は過去問を解くだけだったので、書籍は特に用いておりません。

7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

① LS在学生へのアドバイス
 LS在学中は、特にアウトプットを意識しながら、授業に真剣に取り組んでいただくのが重要であると思います。特に近年の司法試験は、判例・通説とは異なる立場で起案を求められることがよくある以上、自説とは異なる考え方について先生が詳述する場合は出題可能性がある箇所であると理解して、真剣に話を聞いて復習されるのをおすすめします。他説での論述は、過去問対策や予備校の答練ではカバーしきれない部分があると考えるため、くれぐれもLSの授業を軽視されないようにしてください。

② 来年のリベンジ合格を目指している方へのアドバイス
 最初にやるべきこととして、今年の再現答案を作って、誰か別の人に見てもらってください。その目的は、ご自身の敗因や傾向・癖を知ることで、来年同じような間違いを繰り返さないようにすることにあります。私は、実際に自らの答案を他人に見てもらうことで、演習不足であることや他説への配慮が足りないこと、また理解不足である箇所等を確認することができました。ご自身の敗因を知った後は、次に過去問や演習を解くことになると思いますが、その際にも大事なことはご自身の答案を他人に見てもらい、同じ間違いを繰り返していないかを適宜確認してください。この作業を地道に繰り返すことができれば、来年の司法試験では同じ間違いを繰り返さなくなるため、合格に近づくことができます。
 最後にお伝えしたいのですが、司法試験は、挫折を何回繰り返しても、挫折を乗り越える数がそれよりも一回多ければ必ず合格できます。精神的に追い込まれてくると、挫折自体を恐れて勉強から逃げ出すことも時にはあると思いますが、逃げ出してもいいので必ず戻ってきて自らの手で合格をつかんでください。長文になりましたが、以上となります。皆さんの合格を心より願っています。

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