非法学部出身者が司法試験に合格するまで

M.Kさん 受験歴: 新試験1回
国際基督教大学教養学部
一橋大学法科大学院
                            

1 司法試験の受験を決意した経緯

 もともと平和学や開発学をやりたくて大学へ入学し,開発学を学んでいました。ただ,開発学は総合学問なので,これ,という専門性を持ちたいな,と思い社会学,心理学,法学等いろいろな授業をとっていた中で,面白いなと思ったのが法学でした。子ども,難民,開発といろいろやりたいことがあったし,日本の国内外でやってみたいことがありました。とりあえず弁護士資格を持っていれば,やりたいことができると思ったのと,文章作成は得意かなと思っていたので,司法試験受験と弁護士を目指しました。

2 予備試験までの学習状況

 ロー未修入学で、予備試験受験時は3年生でした。そのため、ローの授業がメインでした。
 1年生の頃の勉強内容としては,基本書・判例集を読むといった日々の授業の予習の他,授業のレジュメ等をまとめたノートを作成しました。このノートに今後いろいろ付け足したり削ったりしながら,試験直前までずっと使う暗記事項ノートとして利用していました。試験直前期,最後のまとめノートみたいなものを作る人は多いのですが,試験直前にその作業をやって時間がとられてしまうということもあります。私はずっとこれを使っていたので,その内容を頭に入れることに時間を使えました。その他,授業の進捗度に合わせて、辰已のえんしゅう本を繰り返しやっていました。この時期は,とりあえずオーソドックスな問題をたくさん解いて,答案作成の型をつかむことに力を入れました。なるべく参考答案がついているものを選びました。
 2年生の頃の勉強内容としては,引き続き授業の予習・復習の他,中級・上級レベルの演習書,辰已の短答パーフェクトをやっていました。秋頃に司法試験に合格された2つ上の先輩から、本格的に司法試験本試験の解き方や勉強の仕方等を教わりました。2年の夏頃から司法試験の過去問に着手して,2年の終わった冬・春休みくらいは本格的に司法試験の過去問を解いていました。一日3本くらい解くこともよくありました。これも仲間でゼミを組んだり,先輩や先に司法試験に合格した仲間などに見てもらったりしました。
 ロー2年後の春休みからコロナが流行して,ロー3年の春学期は1ヶ月程度開始が遅れました。司法試験・予備試験ともに延期となりました。ローの授業はオンラインになりました。また、仲間同士の自主ゼミも、zoomやLINE通話をつないでオンラインで継続することができました。ただ,コロナの中で入学した後輩は,なかなかクラスメイト同士仲良くなれず,ゼミが組めなくて困っているという話をよく聞きます。また,一人暮らしの学生はけっこう精神的につらいという人も多かったので,ゼミで人と話したり,情報交換できる機会は重要だったと思います。
 3年生の時期に予備試験を受験しました。
 短答式試験は、専ら短答パーフェクト本でした。使い方については後述いたします。
 論文対策は、基本的にこれまでのローでの授業の予復習や司法試験対策などで、特に予備試験に向けたことはしませんでした。ただ、2週間位前から予備試験の一般教養以外の全科目の過去問を急いで回しました。後述する辰已のえんしゅう本で、多くの過去問には触れたことがあったので、そこまで大変ではありませんでした。また、実務系科目についてはローの授業できっちり学ぶことができたので、過去問を解きながらそれを復習する程度でした。
 口述対策は、論文試験に合格してから対策を開始しました。話すことがあまり得意ではないのでとても緊張しました。同じように論文に合格した友人と毎日zoomを繋いで、お互い問題を出し合ったりしました。実務系の問題で、これもローの授業である程度対策できていたので、直前の追い込みでも間に合った感じがあります。

3 予備試験後の学習状況

 予備試験で民法だけダントツで良くなかったこと、予備試験では選択科目がないことから、この2つは特に重点的に勉強しました。
 勉強内容は、司法試験本試験・予備試験・旧司法試験の過去問やこれまで使っていた演習書を解いて起案すること、短答式試験の過去問を解いて解説を読むこと、自作の暗記ノートで暗記事項を確認すること、判例集を読むこと等です。
 答案を人に見てもらうため、情報交換のため、精神の安定のために、本試験1週間くらい前まで自主ゼミはやっていました。

4 私がとっていた勉強法

 全科目8科目を2、3、3に分けて、一日ごとに科目を変えつつどの科目も偏らないようにしました。また、一日の中で論文の起案が半分、短答、基本書や判例集の読み込み、暗記等を半分という感じで勉強していました。このようにした理由は、長時間勉強しても飽きないようにするため、また問題を解く感覚を忘れないようにするためです。
 特に意識したのは、論文試験対策のための演習量です。量より質という効率の良い方もいらっしゃると思いますが、私は量をやって質を上げていくタイプでした。論文演習は毎日6時間位やっていましたし、司法試験本試験の問題を3科目解く日もありました。
 それから、ただ結論を暗記するだけでなく、なぜ論点が論点なのか、学説等の対立の軸を意識するようにしていました。そうすると、通りいっぺんだけでなく、問題の所在をしっかり掴んだ深い論述ができたように思います。
 また、論文試験については、当たり前のようですが時間をはかり、何も見ずに解き、なるべく本番と同じ状況で解けるようにしていました。それから、徹底して途中答案にならないようにしていました。そのおかげで、試験対策の時はほぼ毎回8頁書き切っていましたし、時間にも余裕がありました。そして、このように対策していても試験本番の時は試験時間目一杯使ってしまいました。途中答案となってしまう方は、その原因をしっかり突き止めて対策された方が良いかと思います。

5 私が使用した本(辰已の書籍)

① 短答過去問パーフェクト
 短答試験は全てこれで対策して、何度も回しました。解説も丁寧なので、その選択肢が解答となる理由に線を引いたり、間違えた問題に印を付けたりしながら使いました。

② えんしゅう本
 この本の良い点は2つあります。まず、分野ごとに旧試や予備試験の過去問・オリジナル問題が厳選されている点です。ロー初学者の頃は、ローの授業の進捗度に合わせて授業の予復習や定期テスト対策に利用していました。2つ目は、解答例がついている点です。純粋未修の私は、法律答案の書き方が全く分かりませんでした。そこでおすすめされたのがえんしゅう本でした。この解答例を参考にして、法律答案の型みたいなものを習得しました。
 えんしゅう本は法律の初学者の頃から司法試験直前まで全ての時期にわたって利用させていただき、10回以上解いた問題もあるかと思います。

6 予備試験・司法試験当日

 私がいちばん精神的にきつかったのは予備試験口述試験の時でした。でも,口述試験向けの対策をあまりしていなかったこと,なかなか合格通知が郵送されずに点数が分からず,口述試験の合格可能性がどのくらいか分からなかったこと,話すのが苦手で面接形式の試験にすごく緊張していたことから,司法試験本試験よりも精神的に追い込まれていました。
 司法試験の時は、予備試験ほど緊張はしていませんでした。一日目の選択科目や公法系科目が比較的難しく、少し不安でした。でも、これらの科目は私が比較的得意としていたので、相対評価だと言い聞かせて気持ちを切り替えることにしました。二日目の民事系は結構書けたなと思いましたが、前半二日は試験時間も長いので、体力的に疲れました。5月に入ったあたりから起案による右手の腱鞘炎に悩まされていたのですが、この日は結構痛み、湿布を貼って寝ました。中日はホテル外のコンビニと薬局に食事と追加の湿布を購入しに行ったくらいで、それ以外は翌日の刑事系の勉強をしていました。三日目の刑事系もまあまあ失敗はしていないだろうなという感じでした。比較的早く終わるので、短答の最後の追い込みをしました。四日目は短答式試験で、体力的に疲れており早く終わらないかなと思っていました。コロナもあり、車で迎えに来てくれる方がいたので、最終日の日に実家に帰りました。

7 これから受験する人へのアドバイス

 司法試験の勉強法は人それぞれで、辰已のような専門塾の利用方法も人それぞれだと思います。私はどちらかというとローがメインでしたが、それでも書籍など良いものを効率よく利用させていただきました。
 また、私のような非法学部出身の方へ。非法学部出身だと初学の困難さや情報の少なさ、周りで法曹を目指している人の少なさなど、色々大変なこともあるかと思います。それでも予備試験合格、司法試験合格は決して不可能なことではないです。頼れる仲間や先輩などを見つけて頑張ってください。

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