『最低限の勉強で50点から55点を狙う』

Y.Hさん 受験歴: 新試験1回
明治大学法学部
中央大学法科大学院 【既修】2018年入学・2020年修了
【受講歴】司法試験全国公開模試 他

1 環境法を選択した理由

 私は知的財産法(著作権法)と経済法に興味があったため、これらの2つで迷っていました。しかし、学部の経済法の授業が好きになれなかったこと、著作権法に興味はあるものの、特許法に興味が無かったこともあり、決定できずにいました。そんな中、ロースクールの先輩が環境法のオリジナルゼミをやると聞き、興味半分で受講しました。その先輩からは「選択科目としてもコスパが良い」と勧められたため、環境法を選択しました。

2 メリットとデメリット

(1) メリット
 環境法はおおきく訴訟分野と政策分野に分かれ、自分の勉強箇所の立ち位置が見えやすい点に特徴があります。環境法は試験的に10法ありますが、暗記量も少なく、いわゆる規範も行政法や民法で扱うものばかりですので、環境法固有の規範というものは数えるほどしかありません。したがって、7法の他にガッツリ選択科目に時間を割かなくてはならないということがあまりありません。環境法は民法と行政法に近いと言われがちですが、個人的には会社法的側面も有していると考えます(10法の中から適当と思われる条文を探し出す作業は会社法の勉強に似ています。)。そのため、民法・行政法だけでなく、会社法の条文を見つける基礎力を養うこともできることが環境法のメリットであると考えています。

(2) デメリット
 環境法は予備校講座が充実しておらず、7法の勉強を予備校の基礎講座で学んできた人(=基本書を用いた勉強に不慣れな人)には勉強しにくい側面があると考えています。また、選択者数が少ないため、同期で勉強している人も見かけられず、自主ゼミを組めずに1人で勉強することとなる点もデメリットの1つであると思われます。

3 法科大学院での学習状況

 私は上記の通り、先輩のオリジナルゼミを受講し、そのレジュメを用いて基礎知識をインプットしていました。ロースクールに環境法の授業がありましたが、履修はしなかったため、ほぼ独学で勉強したことになります。私は自主ゼミを組んではいなかったため、毎日環境法に触れる時間を設け、ひたすら条文を眺めながらレジュメを読み込む作業をしていました。

4 受験対策としてとった勉強方法及び辰已の講座

(1) 勉強方法
① オリジナルゼミのレジュメ及び条文を読み込む
 基本的知識が無いと過去問を見ても意味がないため、まずは基本10法のレジュメを読み込み、全体の流れを掴む努力をしました。基本書は通読するにも飽きが来てしまうため、基本的には用いずにあくまで副次的に用いていました。百選についても必要なページだけを適宜図書館で参照するにとどめ、購入して使うことはしませんでした(意見が分かれるかもしれませんが、個人的には百選は不要であると思います。)。
 条文はこまめに参照し、何度も六法を引く意識はしていました。試験本番で条文を探し出せない場合、当該設問は全く点が入らなくなってしまうため、そのような事態を避けるためにも日頃から条文には慣れ親しむべきだと考えます。なお、環境六法は用いなくてよいと考えます。試験本番で使うのは司法試験六法であり、どの条文がどこら辺にあるのかも含めて勉強すべきと考えられるからです。

② 出題趣旨・採点実感の活用
 環境法は予備校講座も市販の問題集も充実していないため、問題演習不足に陥る可能性があります。そのため、司法試験の過去問は非常に重要になってきます。もっとも、私は自主ゼミを組んでおらず、仮に過去問を解いても自分の道筋がどうなのかは判断できませんでした。そのため、実際に起案することはせず、問題を読んだらすぐに出題趣旨・採点実感を読み込み、該当箇所のレジュメに戻って知識の定着を図りました。これをひたすら繰り返して出題形式を掴みました。

③ 辰已の全国公開模試の活用
 辰已の全国公開模試は良問が出題されるため、試験前の腕試しにはもってこいの機会であると思われます。私にとって環境法の問題をフルで起案するのはこの模試で3回目でしたが、答案の型は一行問題(法政策分野)か従来の民法及び行政法(訴訟分野)に近いものであるため、普通に司法試験の勉強をしていれば書き方で迷うことは無いと思われます。したがって、上記で問題演習不足を記載していますが、あくまでインプットとしての問題演習が不足するというだけで、アウトプットとしての問題演習(=答練)はそこまで必要でもないのではないかというのが個人的な感想となります(もちろん受講するに越したことはないですが、正直環境法に時間を割くくらいなら基本7法をやるべきです。)。
 辰已の全国公開模試はレジュメが詳しく、論点の記載も豊富であるため、知識の整理に有用です。私は最後まで辰已のレジュメを用いて復習していました(特に法政策分野と改正法)。

5 これから受験する人へのアドバイス

 環境法は条文操作が難しい科目ですが、基本7法の条文操作と通ずるところがあるだけでなく、行政法の仕組み解釈の練習にもなり、苦手意識が払拭されると思います。マイナー科目であるため、参考書等も少ないですが、だからこそ有名どころの本を用いれば周りの受験生と差がつくこともありません。科目別足切りも環境法はハードルが低いため、基本7法に重きを置きたい受験生には扱いやすい科目になります。
 選択科目は試験1発目にあるため、出来不出来によりその後の試験に影響を及ぼします。だからこそ、慌てずに問題となりそうな条文を1つずつピックアップして、その検討を丁寧に行ってください。「環境法で足切りになることは無い」くらいの精神的余裕をもって試験に臨んでいただけたらと思います。頑張ってください。

辰已法律研究所 受講歴

【2020年対策】
・司法試験全国公開模試
・直前フォロー答練 福田クラス

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