司法試験論文式試験は作問者の書いてほしいことを書けばA評価になる。

Y.Sさん受験歴: 新試験4回
日本大学法学部
日本大学法科大学院 【既修】2015年入学・2017年修了
【受講歴】スタンダード論文答練、司法試験全国公開模試 他

1 司法試験の受験を決意した経緯

 高校時代から弁護士に興味がありました。しかし、大学入学後、市販の予備校本を買って勉強をしたものの、すぐにアルバイトやサークルなどが楽しくなってしまい、あまり勉強をしませんでした。しかし、大学3年の春ごろ、将来の仕事を真面目に考えるようになり、知らない人だらけの世の中のために何かしようという気持ちにはなれませんが、自分が関わった、自分に助けを求めてくれた人のためにくらいは頑張れる自分になりたいと思い、弁護士を目指し、法科大学院への進学を決めました。

2 リベンジ合格に至った経緯

 3度の受験で、毎回10点足りず不合格を繰り返しました。勉強しても成績が上がらないことに絶望していたころ、正しいかどうかは別にどうでもいい、採点表にあることを書けば点になるんだしと開き直ることにしました。それ以降、理論的な正しさは気にせず、辰已のスタンダード論文答練(スタ論)の採点表を答案にする勉強を繰り返していったところ、採点表や解答例が先にあって、問題文は想定する解答例を書かせるために作られていること、問題文の作り方から逆算すれば試験の現場で採点表を予想できることが分かるようになっていきました。最終的に、4回目の受験で500番台で合格することができました。人並みの成績ですが、3回も落ちた自分にしては十分な成績だと思います。

3 失敗した原因について

 私が不合格となってしまった原因としては、自分が書きたいことばかりを書いてしまい、作問者の書いてほしいことと自分の書きたいことがズレてしまっていたことだと思います。
 作問者は、その問題を作る際、受験生にこの論点を書いてほしい、重要判例や典型論点にひとひねり、ふたひねり入れて、そのひねりの部分を受験生にどう考えるかを書いてほしいのだと思います。そうすると、理論的な正しさは別として、そのひねり部分に至る前提知識や規範の部分は作問者にとってはそれほど重要でなく、そのひねり部分が重要であると思われます。一方、昨年までの自分は、自分が覚えた正しい理論を答案に書きたがり、ひねり部分に至る前提知識や規範の部分ばかりを答案で重視していました。この状態の自分は、採点表に1点や2点しかない部分を長々とこだわって書き、採点表で重視されているところを書かない受験生です。それに気づかず、結果、勉強はしているが試験に受からない受験生が出来上がってしまっていたのだと思います。

4 原因の克服-辰已の講座や書籍を利用して

⑴ 答案の書き方
 辰已のスタ論は、採点表が細かいため、点数のとり方のイメージがつかみやすいと思います。
 スタ論の採点表は非常に細かく、採点表のナンバリングやそのタイトル、当てはめの事実をそのまま答案用紙に書き写すと、2ページを超えることも多々あります。これは、自分で採点表通りの答案を作る際に大変便利でした。私は、スタ論の試験中に採点表を予想し、試験後に自分の予想した採点表と実際の採点表を比較してズレを修正してゆくという使い方をしていました。このような勉強をしていると、論点を当てることの大切さに気付き、論点を外すと三段論法もナンバリングのうまさも関係なく点数が低い答案になることに気づくことができます。司法試験は、点数をとった人間が合格する「試験」ですので、点数を最優先にする勉強をすることをオススメします。

⑵ 過去問対策
 私は、合格した年、過去問対策として、司法試験の出題趣旨・採点実感にプラスし、辰已の『論文合格答案再現集』を使っていました。合格答案から、各答案に共通する部分を抜き出し、その部分を出題趣旨・採点実感の記述と照らし合わせていきました。この作業をすると、①受験生皆が書いて点数がついている部分、②受験生のごく少数のみが書いて点数がついている部分、③受験生皆が書いているが点数がついていない部分が出てきました。司法試験では、一見そうは見えなくても、似たような論点が繰り返し聞かれるため、過去の試験を参考に、新しい問題でも①②③を予想しながら問題を解くことが可能だと思います。合格答案を、順位帯に応じて、一度に確認するツールとして、上記の本は有用だと思います。もちろん、『論文過去問パーフェクトぶんせき本』も有用だと思います。大学院在学中はこちらの本を使っていましたが、解説をあまり読まなかったことと、出題趣旨・採点実感が設問毎にブツ切りになっていたのが気に入らなかったことから、上記再現集にシフトしました。

5 その他の試験対策

⑴ 短答式試験
 試験前1か月から1日6時間ひたすら過去問を解き、過去問の全肢を理由まで含めて答えらえるようにしていました。このような勉強をした理由は、①何か月も前に覚えたことを試験時に覚えている自信がなく、短答プロパーの知識を長期間反復継続し長期記憶にするのはコストパフォーマンスが低いと思ったこと、②短答を頑張っても論文1科目分にしかならず、合格者の間で点数差がつきにくいため、合格者平均でよいと考えたことからです。

⑵ スタ論、全国模試
 繰り返しになりますが、スタ論の特徴は採点表が細かいことです。どの事実を引いて評価したら○○点というところまで明らかにしてくれるのは他の予備校答練にはない特徴です。スタ論を有効活用するのであれば、この部分を活かした勉強をするのがいいと思います。この点を有効活用しないのであれば、問題演習は過去問で十分でしょう。
 また、司法試験でヤマを張るのはよくないです。人生のかかった勝負で、当たるか当たらないか一か八かの勝負をするのはリスクが大きいです。もっとも、他の受験生がヤマは何々と話していると、気になるのが人情だと思います。他の受験生はヤマを張っているのかと心配して精神衛生を害するならば、ヤマを張って精神安定を図るのもメンタルコントロールの一環です。辰已のスタ論は、試験委員の関心分野を研究して問題を作成しているため、試験のヤマ当てに有用だと思います。独学は一般的網羅的にして、辰已のスタ論の復習をヤマ当てにする2段構えの勉強をするのがリスクヘッジとしては良いと思います。

6 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

 司法試験は、採点表が公開されていませんが、試験である以上必ず採点表があります。司法試験は、採点表通りの答案を書き、点数をとった人が合格できます。理論面や文章能力は合格してからでも伸ばすことができます。まずは点数のとり方を知り、合格して、その後で自分の望む勉強をすればいいです。
 皆さまが一年でも早く合格しされるよう祈っております。

辰已法律研究所 受講歴

【2019年対策】
・スタンダード論文答練 福田クラス(第1・2クール)
・司法試験全国公開模試
・直前フォロー答練

【2020年対策】
・スタンダード論文答練(第1・2クール)
・司法試験全国公開模試
・直前フォロー答練

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