やるべきことを論文及び短答式の過去問、スタ論、判例百選に限定した結果合格できました。

古尾谷 弘文さん 受験歴: 新試験3回
日本大学法学部
日本大学法科大学院 【既修】2015年入学・2017年修了
【受講歴】2018年司法試験全国公開模試 他

1 司法試験の受験を決意した経緯、合格までの道のり

(1) 私は一番潰しがきく学部が法学部であると考えていたため、日本大学法学部に入学しました。そして、せっかく法学部に入学したのだから司法試験を目指してみようという単純な動機により、大学生1年時に同大学の司法試験受験団体に所属することに決めました。司法試験の勉強を継続しているうちに、法律の面白さに気付くようになり、法律家として生きていきたいと強く思うようになりました。

(2) 私は現役時代、なかなか択一の成績が伸びませんでした。受験1回目の年は論文の勉強はあまりできず、12月下旬から2月中旬までは集中的に択一の勉強をしていました。そのため、1年目は短答式については123点で合格することができましたが、論文は民事系で足切りになりました。
 受験2回目の年は、短答式は毎日2時間勉強していましたが、他の時間は全て論文の勉強にあてていました。そのため、民事系の足切りはなくなり、民事訴訟法はEでしたが、民法はA、会社法はBという成績をとることができました。しかし、憲法と刑法でFをとってしまい、結果的に総合順位2647位で不合格となりました。
 合格した受験3回目は、スタ論福田クラス第1クール第2クール及び最後の絶対にすべらない講座をとり、不合格答案に絶対にならないためのノウハウを学びました。そのかいもあって、総合順位958位で合格することができ、前回から1600番以上あげることができました。

2 法科大学院受験前の学習状況

 私は大学1年~2年の半ばくらいまでは短答式や論文の答練、弁護士の先生によるゼミ等に参加して勉強していました。しかし、その後3年の半ばくらいまでだれてしまったため、あまり法律の勉強はしていませんでした。その後は勉強を再開しましたが、ロースクール入試では中央大学法科大学院は不合格になり、結果的に合格を頂いたのは日本大学法科大学院と首都大学東京法科大学院でした。正直自分のレベルは当時の周りの人と比べると低かったと思います。

3 法科大学院入学後の学習状況

 法科大学院入学後は、自分のレベルがまだまだ低かったこともあり、授業の課題を終えるのに時間がかかっていたため、いわゆる受験勉強はなかなかできませんでした。しかし、授業中を復習として扱うくらい授業の予習をしっかりこなすことによって、基礎を固めることができたと思います。

4 受験対策として辰已講座の利用方法とその成果

(1) 辰已講座の利用方法
 ロースクール最終学年からスタ論やスタ短を受講していましたが、2回目の受験の年までは受けたり受けなかったりしていました。それが原因でなかなかスタ論の成果が出なかったと思います(成果が出るはずがありませんが)。
 3回目の受験の年では、スタ論福田クラスを受講し、スタ論も全て受けるようにしました。福田クラスを受講した理由は、同クラスを受講していた合格者の方から勧められたことと、自分の弱点が法律の知識以外のところにあると思ったからです。
 福田クラスでは、たとえ難しい問題が出題されたとしても、EやFの答案を絶対にとらないための問題文の読み方、問題を解く順番、本番の時間の使い方、答案の書き方を教えていただきました。福田俊彦先生は、全科目につき合格するために必要なことが記載された総論レジュメを作成されており、大変わかりやすくコンパクトにまとまっていたため、試験本番直前まで現場でこのレジュメを読んでいました。
 福田クラスの具体的な利用方法としては、スタ論を受け終わった後、福田クラスの講義を聴き、毎回反省ノートを書いていました。ちなみに、講義は全て2回聴いていました。ただ、福田先生は1回聴けばよいと仰っていたため、必ずしも2回聴く必要はないと思います。また、福田先生は、毎日、優秀答案を1枚書き写す訓練をするように念押ししていたため、年末年始問わず必ず毎日書いていました。

(2) 辰已講座の成果
 福田先生は周りの人もできないような問題で格闘してはいけないと毎回話していましたが、何度も何度も同じことを聴き、それを毎回反省ノートに書いているうちに意識せずとも周りの人ができないような問題は飛ばして直ぐに次の問題に行くことができるようになりました。本番でも行政法の設問2、民法の設問2、会社法の設問1を直ぐに飛ばすことができ、自分が確実に書くことができる問題で時間切れになるということはありませんでした。分からない問題で時間切れになったとしても、時間があったところで大したことを書くことはできないのだから、この方法はかなり良かったと思っています。現に私は今回の受験でEやFという成績をとることはありませんでした。
 また、点数の割合に応じて書く枚数を決めるというやり方を教わりましたが、この方法のおかげで出題者の意図とは関係ない無駄なことを書く割合は減りました。

5 受験対策として私がやって成功した方法

(1) 私は、辰已の講座を利用すること以外の勉強は、①論文の過去問、②択一の過去問、③判例百選に絞っていました。
 ①については、2回目の受験の年は、ロースクールの友人をゼミを組み、出題趣旨、採点実感、優秀答案等を見て完璧な答案を作っていました。この作業は過去5年分くらいやりました。3回目の受験の年は、週4日で1通ずつ答案を書き、書き終わった後は出題趣旨、採点実感を読み、何を書けば一応の水準の答案になるのかを確認していました。また、その年の優秀答案を見て、事実の拾い方、評価の仕方、設問ごとの分量の割き方を自分の答案と見比べていました。この作業も過去5年分くらいやりました。
 ②については、2回目の受験の年までは辰已の肢別本を何回も回していました。ただ、最初の頃は問題を解くというよりも、直ぐに解答や解説を読んでいました。また、全ての問題を解いていたわけではなく、司法試験及び予備試験の過去問と星マークがついた問題だけを解いていました。これらの問題については100パーセントできるように勉強していました。3回目の受験の年は、毎日過去問を1科目1年分解き、これを2周やりました。そして、間違えた問題だけをまとめてスクラップし、直前はこのスクラップを重点的に回していました。
 ③については、百選を問題集のように扱っていました。2回目の受験の年までに、百選の事実をまとめて、判旨を論文で使えるように論証形式にしていました。この作業は、全ての科目ではなく、民事系3科目と、刑事訴訟法だけやっていました(1回目の受験が終わった時点で、これらの科目が苦手だったことと、公法系はまとめる実益が少ないと思ったからです)。また、まとめる判例は、択一や論文の過去問で出題されたものを対象としていました。刑法については、大学生のころから辰已の趣旨規範ハンドブックを使っていたため、百選の事実を読みながら趣旨規範ハンドブックに加筆修正していました。

(2) 一日の勉強時間
 自習時間は、8時~10時までの2時間、13時~15時までの2時間、16時~18時までの2時間、19時~20時までの1時間で、合計7時間くらいです。また、通学時間のうち往復1時間程度は択一や論証のインプットをしていました。日曜日は完全に休んでいました。4月頃からは帰宅した後10時ころからプラス1時間勉強していました。この生活リズムは最後まで全く変わらなかったです。ただ、何時間勉強したというよりも、どれくらい集中して勉強していたかという方が大事だと思います。ダラダラ長時間勉強していると事務処理能力が上がらないうえに、ダラダラした感じが本番でも出てしまうと思います。やるときはやる、やらないときはやらないというメリハリが極めて大事だと思います。
 また、何か具体的なスケジュールを立てることはしませんでしたが、午前中は択一、午後は論文、夜は百選のインプットといった感じで一日を過ごしていました。年内までには過去5年分の論文は一回転しておこうと考えていました。
 睡眠時間の平均は、6時間半から7時間くらいです。睡眠時間はしっかりとった方がよいと思います。

6 受験対策として使用した本

①論文対策(辰已本)
 ぶんせき本、えんしゅう本、ハイローヤー

②択一対策(辰已本)
 肢別本(憲法、民法、刑法)、平成27年~平成30年の短答パーフェクト(単年版)

③基本書等
 基本行政法、松井宏興「担保物権法」、佐久間毅「民法の基礎1」及び「民法の基礎2」、内田貴「民法Ⅳ」、和田吉弘「基礎からわかる民事訴訟法」、前田雅英「刑法総論講義」及び「刑法各論講義」、判例百選(全科目)
※ただし、基本書は通読はせずに辞書的な感じで使っていました。

7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

 昨年は憲法と刑法の出題形式が変わり、その変化に対応することができずに論理も一貫していないめちゃくちゃな答案を書いてしまったことが原因で不合格になったと思います。
 2回目の受験まではスタ論を解き終わったあと、出題された論点の復習はしていましたが、答練を受けた時点での知識量でもっと点をとることができなかったのかという点について考えることはありませんでした。今年はどんなに問題形式が変わったり、難問が出たりしたとしても、EやFという答案を絶対に書かないために、答練の段階から分からない問題は割り切って答案に空白を作って直ぐに飛ばし、解ける問題で確実に点をとる練習をしていました。私はこの割り切りが苦手だったため、自分が分からない問題は周りの人も分からないのだから、極端な話100点満点の試験ではなく、分からない問題の点数を除いた点数が満点であると考えていました。一番まずいのは、自分が確実に解くことができる問題があるにもかかわらず、分からない問題で格闘してしまい、解くことができる問題で時間切れになってしまうことだと思います。分からない問題を最後に解いて時間切れになったとしても、時間があったところで大したことは書くことができないですからダメージは少ないです。完璧な答案なんて書くことは絶対にできないし、書く必要もないのです。
 今まで話してきたことは、法律に関する実力とは全く関係ないことです。今年不合格となったからといって、必ずしも法律知識がないということではないと思います。あまり司法試験を下から見上げるのではなく、点取りゲームのような感覚で司法試験に臨めば必ず合格できます。何回落ちようが最後に合格すれば全て報われるので頑張って下さい。

辰已法律研究所 受講歴

【2018年対策】
・スタンダード論文答練 福田クラス(第1・2クール)
・最後の絶対にすべらない講座
・司法試験全国公開模試

【2017年対策】
・スタンダード論文答練(第1・2クール)
・司法試験全国公開模試

【2016年対策】
・スタンダード論文答練(第1・2クール)
・スタンダード短答オープン(第1・2クール)
・司法試験全国公開模試

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