自分に必要な勉強を継続できれば、必ず司法試験に合格できる。

T.Iさん 受験歴: 新試験4回
高崎経済大学経済学部経営学科
明治大学法科大学院 【未修】2013年入学・2016年修了
【受講歴】司法試験全国公開模試 他

1 司法試験の受験を決意した経緯、合格までの道のり

(1) 弁護士を目指すきっかけは、中学生の時に見た「ビギナー」という司法修習生に焦点を当てたテレビドラマにあります。今では具体的な内容は覚えていませんが、主人公たちがとてもかっこよく映っており、それに憧れを抱いていました。その後も、なんとなくではありますが、ずっと弁護士になりたいと思っていました。
 大学生在学中には留学生の友人ができ、アルバイトに関して労働問題が生じているという話を聞き、そのような友人を助けたいと強く考えるようになりました。
 このように私は、幼い頃から弁護士になりたいという夢が心の中にあり、大学生になり明確に司法試験を受験すると決意しました。

(2) 1回目の受験時には、知識面や形式面で司法試験合格の能力が著しく欠けていると感じました。その後、気合を入れなおし、1回目の司法試験の翌日から2回目の受験に向けて勉強を始めました。しかし、奏功せず不合格に終わりました。2回目の受験後、一般企業への就職を考えましたが、法科大学院の実務家教員の方に相談に乗っていただき、再度司法試験合格を目指すことを決意しました。そして、3回目の受験に向けて勉強をする際、仲の良い友人2人とゼミを組み、お互いに協力し勉強しました。3回目の受験では、友人2人が先に合格し、私のみが取り残された形となりました。それでも、その友人らとのゼミで経験、アドバイスを心に、勉強を継続することができ、結果として4回目の受験で無事司法試験に合格することができました。

2 法科大学院受験前の学習状況(法律学習)

 私は、経済学部出身でありますが、大学では教養科目として、民法(総則、物権、債権法)、会社法の授業をとっていました。この点を見れば、法律を全く勉強した経験がなかったわけではありません。しかし、経済学部の法律の授業は、あまり深くまで立ち入らない内容であり、今思えば法科大学院の授業の基礎にもなっていなかったように思います。

3 法科大学院入学後の学習状況(法律学習)

 入学後に法律の勉強を始めた私からすれば、1年目は法律の仕組み・考え方,勉強方法が全く分からず、途方に暮れていました。その中で、試行錯誤し、2年目が終わる頃には、知識が相互に結びつくようになり、1年目と比べ格段に理解が深まりました。また、答案の書き方もぼちぼち身につき始めました。3年目が終わる頃には、8科目全体の勉強が一通り終わることになりますが、知識の理解・定着の度合いは到底司法試験に通用するレベルではありませんでした。
 実質的に司法試験対策(論文)を始めることができたといえるのは、2回目の司法試験受験に向けて勉強をしていた時だったなと思っています。

4 受験対策として、辰已講座の利用方法とその成果

 3回目の受験に向けてスタ論と全国模試を受け、4回目の受験に向けて全国模試を受けました。
 スタ論について、パーフェクト答案・スタンダード答案と優秀答案を利用し、答案の書き方・流れ、表現などを中心に活用しました。答案の書き方に不安のあった私にとっては、とても役に立ちました。解説部分は自分が解けなかった箇所のみを丁寧に読み込むことにより、論点の理解を深めることができたと思います。ウェブ講義について、何度か見ることがありましたが、解説冊子に書いてある以上に有益な情報が得られないと感じたため、試し見した以外は全く見ていませんでした。
 全国模試について,結果を見るだけで解説等は全く利用しませんでした。その理由は2つあります。1つは,全国模試の手ごたえがよく、総合結果も比較的良かったため、復習するまでもないと思ったからです。2つ目は、全国模試が司法試験の約1か月半前に行われることもあり、模試の復習よりも、残されたわずかな時間を自分に必要な勉強に充てたいと思ったからです。

5 受験対策として、私がやって成功した方法等

 スケジュール管理について、1週間を1単位として勉強の計画を立てるとよいと思います。私の場合、日曜日を休みの日と設定し、その日は全く勉強しないと決め、家でゆっくりしたり、大学時代の友人と遊んだり、リフレッシュに徹しました。私は、月曜日から土曜日まで比較的長時間机に向かっていたため、全く勉強しない日を設定しても勉強時間を十分に確保することができたと思います。
 勉強の時間帯については、司法試験が朝から行われることから、朝方の勉強方法にすると、試験当日と同じような生活リズムを送ることができるのでおすすめです。

6 受験対策として、私が使用した本

(1) 基本書
 中原茂樹『基本行政法 第3版』(日本評論社,2018)がおすすめです。行政法に苦手意識があった私は,司法試験及び予備試験の過去問を解くことに加え,基礎知識を確認するため,論述式試験で出題可能性のある範囲を重点的に繰り返し読むようにしました。この勉強により,基礎的な知識が盤石のものとなり,合格の一因になったのではないかと思います。

(2) 短答式試験対策
 辰已の肢別本を使用しました。勉強日には一定の時間をとり,[問題を解く→解説・基本書等を見る]をひたすら繰り返して勉強しました。肢別本の理由付けが不足していると感じた部分については,基本書等から趣旨や理由付けを補足し,書き込みをしました。これにより,単なる暗記に陥らず,知識の定着率が上がり,あらゆる問題でも趣旨に立ち返る癖がついたのではないかと思います。
 また,問題を解いた際,自信あり,微妙,わからないの3つの肢に振り分け,2周目以降は,微妙,わからない肢をつぶしていくという作業を繰り返しました。微妙・わからない肢が少なくなったときに,その肢と解説をワードでまとめておきました。ここまでを1サイクルとして,最終的には3サイクル行いました。この方法だと時間がかかることが難点ですが,短答式試験を十分にしてきたという経験から自信がつき,また,実力も身につくので,この方法を継続してよかったと感じています。
 司法試験の約2か月前の時点で肢別本による勉強をやめ,1サイクル目から3サイクル目までの微妙・わからない肢及び解説のまとめを印刷し,これを読むという勉強方法に切り替えました。

(3) 論述式試験対策
 基本的には司法試験の過去問を用いました。その添削については,辰已のぶんせき本を使用しました。特に,優秀者の答案を複数通読み,厚く論じるべき箇所,端的な表現,わかりやすい表現を細かく分析し,自分でも使えるようにしました。

(4) 論証集
 行政法,民事系,刑事系については,辰已の趣旨規範ハンドブックを使用しました。論証で役に立つ部分も多くありましたが,少し理由付けが気になる(不十分,弱い等)箇所や覚えづらい箇所もありました。その場合には,理由付けを追加したり,自分なりの言葉に直すため,ワードでまとめたものを印刷し,ハンドブックに張り付けることにより活用しました。
 試験当日は,緊張やあせり等から思うように問題の検討が進まず,時間を浪費してしまうことが多々あります。このような場合に,論証がすっと出てこなければ大幅な時間ロスとなり致命傷になりかねません。そのため,論証集に自分なりのアレンジを加え,覚えやすいものにしておくことも重要だと思います。
 なお,憲法については,自分なりに憲法の書き方という論証等を含めたまとめ冊子を作り,これを使用していました。

7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

(1) LS在学生へのアドバイス
 在学中に早くから短答式試験の対策をすべきです。ほとんどの方がご存じだと思いますが,司法試験は,1日目,2日目,4日目が論文式試験,5日目が短答式試験と試験が一遍に行われ,短答式試験の合格者しか論述式試験の採点は行われません。短答式試験に落ちた場合,論述式試験の出来の良し悪しを知ることができないため,翌年の論述式試験に向けた勉強方針を立てることが難しくなります。また,論述式試験の対策をすれば短答式試験の対策になると考えている方もいるかもしれません。確かに,短答式試験には,基本的な学説や判例の理解が問われるため,その考えも間違いではありません。しかし,短答式試験では,論述式試験では出題されないようなマイナー条文に関する出題もなされるため,論述式試験の対策ではカバーできない問題も多いといえます。したがって,短答式試験の勉強時間を早くから始め,無理のない勉強計画を立てるとよいです。
 自主ゼミを組み,知識面や答案の書き方等について,勉強すべきです。特に重要なことは,答案の書き方を身に着けることです。論述試験の解答は基本的には三段論法で書かなければなりません。これに関しては,何度も何度も答案を起案し訓練を重ねなければ,ふとした時に三段論法が崩れた答案を書いてしまうことがあります。そのようなことがないよう徹底的に身に着ける必要があります。また,よるあることとして,ゼミで答案の回し読みをしていると,自分の文章の意図をくみ取ってもらえない場合があります。これは,自分の文章がわかりにくいことが原因です。自分だけが文章の意図を理解しているだけでは足りず,読み手にも伝わる表現でなければなりません。そこで,答練やゼミでの答案の回し読みなどにより,他人からアドバイスをもらいつつ,文章を書く訓練をすることをおすすめします。

(2) 来年のリベンジ合格を目指している方へのアドバイス
 当然ですが,合格するためには,現状の自分の能力と合格に必要な能力のギャップを埋める必要があります。それが知識面のものであるのか,形式面のものであるのかは,人それぞれですが,自分に必要な勉強を見つけ,その勉強を継続できれば,必ず司法試験に合格できます。問題は,自分だけでは,その自分に必要な勉強を見つけることが難しいことにあります。そこで,自分に必要な能力を自分なりに分析することは勿論ですが,ゼミや辰已の講座を通じて自分の答案上の問題点を指摘してもらい一早く自分の弱点を見つけ,その克服に努めるとよいと思います。
 試験当日について,不安や緊張があるかと思いますが,それは全受験生同じといえます。そのため,ある程度開き直り,もうやるしかないと考え受験することを心掛けてください。「自分がわからない問題はみんなもわからない」と考えるべしと言われるように,わからない問題に遭遇しても不必要に焦る必要はありません。その場合には,基本に立ち戻り,[条文の趣旨→規範定立→当てはめ]の流れを意識してみてください。こうすれば,大きく外れることなく答案を作成することができます。
 最後に,私は,4回目での合格ということもあり,合格するまで勉強面や精神面で悩むことが非常に多くありました。私は,実務家教員のアドバイスや,ゼミでお互いに高め合えたことにより,それらの悩みを乗り越え,司法試験合格にたどり着けたと強く感じています。
 そこで,受験生の皆さんには,独りで閉じこもらず,友人等と協力し,合格に向かって勉強してほしいと思います。頑張ってください。

辰已法律研究所 受講歴

【2019年対策】
・司法試験全国公開模試

【2018年対策】
・スタンダード論文答練(第2クール)
・司法試験全国公開模試

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