一発合格のための戦略

大崎 慎乃祐さん 受験歴: 新試験1回
専修大学法学部
専修大学法科大学院 【既修】2017年入学・2019年修了
【受講歴】2018年スタンダード論文答練(第1・2クール)、司法試験全国公開模試

1 司法試験の受験を決意した経緯

 小学生の頃、授業で行ったディベートがかなり好きでした。そして、中学生になり、弁護士という職業を知り、その仕事内容のディベートの類似性を見出し、安易ではあるものの弁護士になりたいと思い、弁護士になるべく必要な司法試験の受験を決意しました。
 大学生の頃は司法試験を受験するためには、予備試験合格というルートも知ってはいたものの、法科大学院に入学することを元々決意していたことや当時は本気で勉学に励んでいなかったことから、法科大学院の既習コース卒業というルートを経て司法試験を受験することとしました。

2 法科大学院受験前の学習状況

 既習コースでの入学を目指していたため、受験科目となっていたもの(法律基本科目のうち行政法以外)については予備試験の論文問題や法科大学院の過去問を中心に勉強はしていました。ただ、勉強のメインは論証集にのっているようないわゆる論証パターンを暗記するというもので、あまり新司を見据えた勉強はできていなかったように思います。

3 法科大学院入学後の学習状況

 入学時、2年の前期は法科大学院の成績評価がどのようなものか分からなかったため、法律基本科目については授業の復習や百選の事実の概要及び判旨の通読をひたすらやっていたと思います。そして、段々と法科大学院での要領を把握し、2年の後期では約1年半後の5月に受験するつもりであった司法試験を見据えた勉強を始めました。とりわけ行っていたのは、新司法試験の過去問を潰していくというものでした。ただ、過去問を解くという行為はやはり受験生心理としては避けたい・逃げたいという気持ちがあり、最初は答案構成のみをして、参考答案等を眺めるというような勉強しかしておらず、本格的に新司を時間内で六法のみで起案するようになったのは2年の春頃からでした。そして、起案は5月の司法試験まで継続して行っていました。

4 受験対策について

(1) 辰已講座の利用方法とその成果
ア スタ論第1クール、スタ論第2クール(以下「スタ論」)
 3年の秋ごろから、スタ論を各科目の自分の全国的な位置づけを知るべく、利用しました。スタ論は1日で、公法系・民事系・刑事系という本番同様のまとまりとなっているので、実践的な答練を行えたと感じています。そして、スタ論は来年の司法試験を予想した上での問題となっているので、自分が知らないような論点について現場で時間内にどう対処するのかという思考力・対応力を鍛えられたように思います。解答・解説が充実しているので、答練を経て新たに発見した自分の穴を該当箇所のところを参照することで埋めていく、補っていくことができたと思います。

イ 全国公開模試
 私は本試験と同じ会場で受験できるA日程で受験しました。模試となると自分と同じ受験生が大勢おり、試験としての臨場感や緊張感を味わいながらも、その中で初見の問題を動揺せず、自分がこれまでに培ってきた基礎・基本を大切にして問題を解いていきました。模試の結果は総合でA評価を頂き、自分の勉強方法や思考方法の方向性が誤っていなかったことを認識する一方で、短答のみの成績はCであったため、残りの期間は短答にも力を注いでいこうという本試験までの勉強計画を修正することができました。

(2) 私の勉強方法
ア 答案練習
 私は大学院在学中、アルバイト等もしていなかったため授業以外は自分の勉強時間に充てることが出来ました。そこで、中心的に行っていたのは、自主ゼミを組んでいた方々と、週5通の答案(主に新司・予備・旧司の過去問)を書いていくというものでした。この自主ゼミでは各自で起案し、問題の検討は集まってすることなく、お互いにゼミの仲間の答案を読んで自学自習をして行くというものでした。同じ条件で書いた受験生の答案を読むことは自分にない視点・論証や理由付け・事実に対する評価といった事柄を学ぶことが出来、これを次の起案に生かそうと試行錯誤し、自分のものにすることが出来ました。このような起案は2年の春から司法試験直前の5月まで継続していました。

イ 基本書をまとめたレジュメの活用
 3年の冬頃は、やはり司法試験合格には基礎・基本が重要であると考え、基本書をゼミの仲間と分担して各科目コンパクトに単元ごとにまとめたレジュメ(各科目10~20ページくらいのもの)を作成しました。そして、司法試験に向けて最低限理解しておかないといけないもの、論証できないといけないものを共有しました。その後、私は上記起案以外の時間はレジュメを中心に基本事項の確認作業を反復継続して行っていました。レジュメを見て分からないところは基本書に戻り該当箇所を読んで、理解を深めるようにしていました。

(3) 私が使用した本
ア 答案練習
 上記の通り、答案練習では新司・予備・旧司の過去問を中心に行っていたため、各科目辰已のえんしゅう本を使用しておりました。
 その他には「事例研究行政法」、「ロースクール演習 会社法」、「刑法事例演習教材」、「エクササイズ 刑事訴訟法」も使用し、すべてではありませんが、起案しました。
 「ロースクール演習 会社法」は問題文が短いものの、自分の知らない条文や制度を知る機会を提供してくれた本で、もっと早くから読んでいればなと思いました。「刑法事例演習教材」は従来の新司の問題に近く、問題意識の難易度がやや高く良いものではありますが、起案をするのであれば、旧司の過去問を優先した方が良いように思いました。

イ 基本書
 基本書としては、憲法は芦部「憲法」、行政法は「基本行政法」・「基礎演習」、民法は「入門民法(全)」、会社法は「最新会社法講義」、民訴は「民事訴訟法概論」、刑法は「基本刑法Ⅰ・Ⅱ」、刑訴は「刑事訴訟法(LEGAL QUEST)」を主に使用しました。
 上記の書籍を中心にレジュメを作成し、基本事項の確認作業に利用しました。基本書は自分で1冊ないしは2冊使用するものを決めたら、それを繰り返し、読むなどして基礎知識の定着を図っていく方が良いと思います。

5 これから受験される人へのアドバイス

 今後、司法試験では改正民法、さらなる合格者の削減の可能性、新制度の導入や今年の刑訴のように出題傾向の変更といったことが見られ、これまでより受験環境が厳しくなるかと思います。もっとも、どのような変化・変動が生じようとも、問題文には事実があり、手元には条文があり、これらを基に自分の基礎・基本知識を駆使して、自分で考えて1つの結論を導き出すといった司法試験の本質は変わらないと思います。
 LSの学生は、授業・仕事・環境等さまざまな理由により、中々自分での自学自習の時間を確保することが難しいとは思います。しかし、あくまでも、目的はまずは司法試験合格すること、そして、司法試験の受験手段としてLSを卒業するという目的・手段を見失わずに、常に司法試験を見据えて勉学に励んでほしいと思います。そして、勉学に励む上で重要になるのは自分が合格するには何が足りないのか(基本事項かもしれませんし、答案を書くといった演習量かもしれませんし、その他かもしれません)をしっかりと把握して、自分に足りないもの、不足しているものを補っていくことです。また、自分にアドバイスをしてくださる先生や先輩、仲間のお話は素直に、謙虚に聞いて、よりよい方向へ成長していってほしいと思います。
 司法試験まで、司法試験期間もきつく、しんどい日々が続くとは思いますが、キチンと勉強をしていれば、合格できるばずです。皆様の合格を心より、願っております。

辰已法律研究所 受講歴

【2018年対策】
・スタンダード論文答練(第1・2クール)
・司法試験全国公開模試

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